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……やってしまった。
泣いて、愚痴聞いてもらって、完全に調子のった。
何が"良かったら家で食べていきますか?"だ。
彼は優しいから「また明日ね」って笑顔で言ってくれたけど、間違いなく引かれた。
そんなんだから悪い男に引っかかるって思われた。
誰にでも言うわけじゃないんだけどな…
目「Aちゃんコーヒー飲むの?」
『いや、これは別の人に…って目黒くん!?』
目「おはよう」
深澤さんへのお礼をと立ち寄ったコーヒーショップ。
外の看板前で考え込んでいると現れた彼。
目「ここ、俺のお気に入りの店」
確かにコーヒーをよく飲んでるイメージはある。
コーヒーの事など分からない私より何倍も頼りになるし、ぜひアドバイスを貰いたい。
『オススメ…ある?』
目「俺が好きなのはコレとコレ」
『なるほど』
深澤さんの好みは分からないけれど、コーヒー好きな人のオススメなら安心だよね!?
『じゃあコレ買ってみようかな』
目「ちなみに、相手は会社の人?」
『…うん』
目「誰か分かれば、もっと好みなの選べるよ」
すごい自信。
目「信じてないな?ちょっと待ってて」
彼はそう言って店内に入っていった。
目「おまたせ。はい、どーぞ」
少しして戻ってきた彼は私にカップを手渡す。
『えっ…私コーヒーは…』
目「大丈夫、きっと好きだから」
促されるまま1口飲むと、衝撃の美味しさだった。
『美味しすぎる…』
目「ね、言ったでしょ」
『なんで分かったの?』
目「職業柄、相手のこと観察しちゃうんだよね」
営業をする上で、相手の好みが分かってた方が有利なことが多いらしい。
同期なのに、遥か先にいるみたいに感じる。
『やっぱり、目黒くんはすごいな』
何気なく呟いたその言葉に、彼は顔を赤らめた。
そんな顔もするんだ……
目「どーしよ。めっちゃ嬉しい」
『…え?』
目「Aちゃんに褒められた」
今まで聞いてきた口先だけの嬉しいじゃなくて、本当に嬉しそうに言うから心臓が痛い。
こないだといい……どういう心境の変化?
目「相手、教えてくれる?」
『…深澤さん』
目「ああ……」
ん?ものすごくテンション下がった?
目「深澤さんの好みは……教えない」
『なんで!?』
急にいじわるになった目黒くん。
ただの同期みたいなやり取りが新鮮で楽しかった。
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あんこ(プロフ) - 愛結さん» コメントありがとうございます(o^^o)叫びそうにまでなっていただけたとは!最高の褒め言葉です。私が書くとどうしても阿部様になってしまいがちです…そんな彼が素敵なので。引き続きよろしくお願いします★ (4月25日 20時) (レス) id: e8d67e08c2 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - 阿部様書いてくださってありがとうございます。仕事休憩中に叫びそうになりました. (4月25日 13時) (レス) @page32 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みぃ〜さん» 初めまして。コメントありがとうございます★同士の方いらっしゃって嬉しすぎます(*^_^*)もう少し出せたらと思ってますので楽しみにしていてください♪引き続きよろしくお願いします! (3月21日 8時) (レス) @page37 id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ〜(プロフ) - 初めまして。橙さんの相棒はあの人しかいないですね!私、同士です!この作品に出てきたことがなんか嬉しかったです☆色々とお忙しいと思いますが、マイペースに更新頑張ってください!楽しみにしてます♡ (3月21日 0時) (レス) @page37 id: db78e452a1 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます★私の趣味全開の小説にそう言っていただけると励みになります(o^^o)しかも私の心配までありがとうございます…!無理せず頑張ります!今後ともよろしくお願いします♡ (3月16日 8時) (レス) id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2024年2月11日 21時