My Destiny IV

154 深澤side ページ7

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深澤side



湊「たつやのおにぎり、みなともたべたい！」


京「湊はパパの…」


湊「やだ！」


京「がーん…」



俺のおにぎりが食べたいと言う湊。
しかし、愛情(具)を詰めすぎて1つしか作れなかったのだ。



『じゃあ半分こしよう』



そう言ったAは、半分を湊に渡す。
「美味しい」と笑顔になる2人を見て嬉しくなった。



『辰哉のは何おにぎり？』


深「からあげ」


『からあげ！？』



俺の手の中のおにぎりを覗き込んだA。
面倒くさがりな俺は、一緒に食べられるように具として入れてもらうのが好き。



『美味しそう』


深「たべる？」



おにぎりを差し出すと、一瞬食べようとしたが「やっぱこっちにする」と別のを手に取った。



深「あれ？あれあれあれ」


『なに』


深「べっつに〜」



明らかに前と違う様子の彼女に頬が緩む。
少しは意識されてるって思ってもいいかな。



京「タコさんウインナーもあるよ」


『可愛い〜。湊くんのリクエスト？』


湊「ちがう！みなとはたまごやき！」



「じゃあ…」とこちらを見てくるので、白状した。
笑われるかと思ったが、そんな事は全くなくて。



『わたしも好き！食べてもいい？』


深「うん。一緒に食べよ」


湊「みなとのたまごやきもたべて！」


『いいの？ありがと〜』



すっかり湊とも仲良くなったA。
このまま時が止まればいいのになー、なんてね。



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その後も少し遊び、湊は疲れて眠そうだ。


兄貴はそんな湊を連れて「おふたりさんはごゆっくり〜」と帰っていった。


ごゆっくりと言われても。
俺はもっと一緒にいたいけど、彼女はどうだろう？



深「…どっか行く？」


『え、あ、じゃあ…』



Aに連れられて来たのはカラオケ。なぜ？わら



『思いっきり歌いたい気分で』



思い出した。高校の時にも2人で来たことがある。
その時の彼女は人間関係で悩んでいた。


あーあ、やっぱり2人にするんじゃなかったな。



『つぎ辰哉ね。なに歌う？』



タブレットを操作しながら俺に尋ねるA。
一緒に見るふりをして近づくと、ゆっくり顔を上げる。



『ん？』


深「兄貴に…何か言われた？」


『何か、って？』


深「翔太…の事、とか」



そう答えれば驚いた表情をする。図星か。
俺だって何となくわかってた…ずっと見てたから。



"いやだ"


こんなこと言ったら困らせるってわかってるのにね。



深「俺を……選んでほしい…」



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