106 深澤side ページ8
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深澤side
涼太がなかなか戻って来ず「心配だね」なんてラウと話しているとガチャりと入口が開く。
宮「おまたせ」
深「大丈夫？何だったの？」
宮「実はね.....どうぞ入って」
目「…こんばんは。お騒がせしてすみません」
なんと涼太に続いて中に入ってきたのは目黒。
いま会いたくない奴ナンバーワン！
渡「おまっ、なんで？」
ラ「まさかのご本人登場！？」
宮「俺らに話があるんだって」
深「話？…てか何、キミが騒いでたの？」
目「えっと…」
宮「違うよ。彼は被害者だから責めないであげて」
涼太が言うには、女に付きまとわれていたのだとか。
まあ...浴衣だとさらにイケてるしな。認めたくないけど。
目「俺のせいでもあるんで。ご迷惑おかけしました」
そう言って俺らに頭を下げる。意外と真面目くん？
こないだと雰囲気が違いすぎて調子狂う。
渡「頭上げて。目立つから」
宮「ビールでいい？」
目「はい。ありがとうございます」
俺の隣に座った目黒は、ビールを一口飲むと「うっま〜」と声を漏らす。
深「なんで1人で来たの。Aは？」
目「ちゃんと家まで送りました。安心してください」
深「それならいい」
話があると言う割には何を話すわけでもなく、黙々と酒を飲む目黒。時間だけが過ぎていき、俺ら以外のお客さんはいなくなった。
こちらから話しかける義理もないので、俺らは俺らで話していると「あの...」と声がかかる。
目「俺たち、付き合う前に戻りました」
付き合う前に戻った？別れたってこと？
俺らがどんなに聞いても絶対に別れたとは言わず"お試し期間が終わっただけ"と言い張る。
渡「Aのこと嫌になったわけ？」
目「ちがう」
深「じゃあなんで、」
目「好きだから！...なんで分からないんですか」
好きだから別れた？ますます意味がわからない。
お酒の影響もあってか少しずつ目黒は苛立ちはじめる。
目「いつまで友達ごっこ続けるつもり？」
宮「友達ごっこ...？」
目「とっくにお互いの気持ちなんて気づいてるくせに見て見ぬふりして」
渡「は？」
目「4人で仲良くいられなくなるのが怖いんでしょ」
わかったような口を聞くから、俺までイラついてくる。
深「キミに俺らの何がわかるっていうの」
目「見てたら分かります……俺も同じだったから」
"友達ごっこ"
そんなつもりは欠けらも無いのに、
否定しきれないのがもどかしい。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
