143 宮舘side ページ45
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宮舘side
渡「涼太これ」
宮「ありがとう。楽しかった？」
渡「疲れた」
宮「カチューシャ似合ってたよ」
渡「そこには触れるな」
月曜日。いつも通り来てくれた翔太がお土産をくれた。
素直に楽しかったと言えばいいのに。
渡「ちゃんと…言ったから」
宮「おっ、どんな反応だった？」
渡「時間くださいって」
宮「Aなりに考えようとしてるんだね」
渡「…で、涼太は？」
翔太が言いたいことは何となくわかる。
でも俺の意志は変わってないんだよなあ。
渡「ほんとに、良いの？」
宮「うん」
渡「ふーん…」
納得がいかないのか、いじけたようにおしぼりで遊びだしてしまった。そんな彼に、試作したスイーツを「どうぞ」と出す。
渡「うわー美味そ」
『秋だからね、モンブラン作ってみた』
渡「Aが好きなやつじゃん」
そう。何でも美味しく食べるAだが、スイーツだとモンブランが1番好きなのだ。
渡「愛？」
宮「内緒」
渡「ふは。じゃ、いただきまーす」
一口食べた翔太は「天才か」と嬉しい言葉をくれる。
渡「これAが食べたら大喜びじゃない？」
宮「だといいな。2人には金曜日に…」
渡「待って。良いこと思いついた」
ニヤリと笑い「スマホ貸して」と手を出す翔太。
嫌な予感がするけど、渡さない選択肢は無いらしい。
渡「まかせとけって♪…あ、やべ。わはははは」
楽しそうに文章を打ち込んでいた彼から漏れた「やべ」
そして、めちゃくちゃ笑ってる。
渡「ごめ、わいるど、りょーたに、しよと、したら」
もはや何を言っているか分からないので、彼の手の中にあるスマホを覗き込む。
宮舘あさって店に恋
渡「恋って、ラブじゃん、うける」
宮「それもそうだけど…店に来させようとしてる？」
渡「うん」
ようやく落ち着いたらしく、こう言葉を続けた。
渡「最近、二人で会ってないでしょ」
宮「まあ。でも忙しいだろうし、呼ぶ理由もないし」
渡「コレを理由にすればいい」
そう言って翔太が指し示すのは"モンブラン"
渡「味見してって言えば飛んでくるだろ」
宮「それは金曜日でも」
渡「あーもう。涼太がどうしたいかでいいんだって」
俺がどうしたいか、か…そりゃ会えるなら会いたい。
その意志を込めて翔太を見ると「よし」とスマホを俺に手渡す。
宮「申し訳ないけどワイルド涼太は消すよ」
渡「ですよねー(笑)」
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
