My Destiny Ⅲ (ページ42)

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"ドスン！！"

えっ…何の音？
完全に開ききっていない目で音がした方を見ると、隣に寝ていたはずの彼の姿がない。

『まさか』

慌てて布団から出てベッドの下を覗く。

『ちょ、大丈夫！？』

嫌な予感は的中し「痛い」と丸まる翔太がそこにはいた。

『どこが痛い？』

渡「ぜんぶ」

『ええ…』

支えながらベッドに座らせ、痛いという箇所をさする。

『そんな寝相悪かったっけ』

渡「端っこギリギリに寝てたから」

『なんでそんな端に』

それを聞いた翔太は、彼の背中をさする私の手を掴み下に降ろす。

『あれ、もういいの？』

渡「ん。ありがと。Aさ、辰哉に言われたこと覚えてる？」

もちろん…覚えている(126話)

渡「その言葉、俺にも有効なの。だから、何かある前に、少しでも距離を取ろうと」

必死に説明する様子が可笑しくて、つい笑ってしまった。

渡「あ"？なに笑ってんだよ」

『いや…こんな無駄に広いベッドなのに、そこまでする必要あったのかなって』

渡「念には念をって言うだろ。てか無駄じゃねーわ」

そう言ってリビングに行ってしまった翔太を追う。
しばらく彼の観察をしていると、引き出しから大量の袋を取り出した。

渡「なに」

『それはこっちのセリフ。その袋…なに？』

手に持っている袋を指さすと「ああ、サプリ」と当たり前のように答える翔太。

『ぜんぶ飲むの？』

渡「うん。あと青汁もセットで」

おいおい意識高いな。どこの女優さんですか。

渡「Aも飲む？」

『…ケッコウデス』

朝はサプリと青汁だけで済ます時もあるとの話を聞き、私はいい事を思いついた。

『用事無ければ、ちょっと出掛けない？』

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渡「ここは？」

『おすすめスポット』

翔太に連れてきてもらったのは"caféイチバンボシ"。
ケーキのお礼も兼ねてモーニングを堪能しに来た。

『誕生日パーティーの素敵なケーキ。ここのオーナー夫婦が作ってくれたんだよ』

渡「まじか。それはお礼言わないと」

入口を開けるとコーヒーのいい香りが鼻腔をくすぐる。

目「いらっしゃいま、A！と……渡辺さん」

渡「落差すげーな」

定位置に座り、ホットを2つ注文した。
しかし、私の前に置かれたのはラテアートが施されたカフェラテ。

『可愛いっ！蓮さんが作ったの？』

目「うん。お誕生日おめでとう。当日に会えて嬉しい」

渡「ねえ、二人の世界やめて」

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