103 佐久間side ページ5
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佐久間side
向「ほんまええ写真やな〜」
佐「うむ。こーじ神すぎる」
俺はかき氷、康二はチョコバナナを片手にさっきの写真を見返す。待ち受けには絶対しないって約束でAちゃんからもらったツーショット。
向「まーた聞けへんかったわ」
佐「んーまあいいじゃん。いつでも聞けるし」
向「せやな」
付き合っているように見えたけど、なんだか触れない方がいい気がして康二の言葉を遮っちゃったんだよな。
ものすごく2人もお似合いなんだけど、スーノの人とちいかめの人の事も気になる俺なのです。
向「もうすぐ花火始まるんやない？」
佐「ほんとだ。ベビーカステラだけ買ってこ」
ベビーカステラを持って康二に着いていくと、人がまばらな暗い場所に到着した。
佐「ここ花火見えるの？」
向「見えるで。人少ないから写真も撮りやすいんよ」
「へえ...」とベビーカステラを口に入れた瞬間、康二が耳元で「通称イチャイチャスポット」なんて囁くから吹きそうになった。
向「さっくん可愛い(笑)周りをよー見てみい」
目を凝らしてみると、たしかにカップルばかりだ。
現実のこういうのには慣れてないから刺激が強い。
向「去年は兄貴とカップルの中で写真撮ってた(笑)」
佐「まじか。今年はお兄さんは？」
向「……彼女と行っとる。はっ！もしかしたらこの辺おるかも！探してくるわ！」
「やめな」と言うよりも先に去っていってしまった。
ほんとお兄さん大好きなんだから。まあ花火始まるまでには戻ってくるでしょ。
カップルばかりでいたたまれない空気の中、柵にもたれてベビーカステラを食べていると千秋レーダーに反応が！
佐「えっ、まさかここに…」
きたーーーー。なんという遭遇率。
待てよ。ここに来たってことは…そういう事？
そんなの邪魔できるわけがない。
向「さっくーん。見つからへんかったぁ」
佐「そっかそっか。ねぇ康二、もう少しこっち行こ」
向「こっちの方が見えるで？」
佐「い、いいから！」
疑問に思う康二を強引に引っ張り、Aちゃん達と距離を取った。康二にバレたら絶対に声かけちゃうし危険なんだもん。
バーン！
向「はじまった！！」
佐「綺麗！しかもちょー見やすい！」
向「やろ？写真撮らな！！」
必死にカメラを構える康二の少し先に見える2人の姿。
千秋が後ろから抱きしめて幸せそうに笑ってる。
ね、俺、やれば出来る子でしょ？どやっ
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
