My Destiny Ⅲ (ページ37)

今日:42 hit、昨日:82 hit、合計:102,267 hit

135 渡辺side ページ37

・

渡辺side

岩本さんたちと別れ、お腹も空いたのでAが行きたがっていたお店へ。キャラクターモチーフの料理を2種類注文しシェアする事にした。

『可愛すぎて食べるのもったいない～～』

そう言ってひたすら料理の写真を撮りまくるA。
俺はその様子を撮り"雪が丘"のグループに送った。

『盗撮！どうせ送るならもっと可愛いのにして』

渡「お前を可愛く撮るのは至難の業だからな」

まただ。なんでこういう事しか言えないんだろ。
本当は怒っている姿さえ可愛いと思っているくせに。

渡「早く食べないと冷めるよ」

『言われなくても食べますー』

拗ねたような表情も、料理を食べれば一瞬で綻ぶ。

『可愛いし美味しいし天才だね君は』

ふは。料理に話しかけてる。
そしてまた盗撮したら怒られた。
でもこれは誰にも送ってあげなーい。

『ねえ、ほんとに行くの？』

渡「行く」

『心配だなー…』

お化け屋敷の近くでコーヒーを飲みながら、そんな会話をする。

正直、ホラーは大嫌いだ。
しかし楽しそうに出てくる人たちを見ていると、もしかしたら自分も楽しめるかもしれないと思えるから不思議。

…と思っていたんだけど。

渡「ぎゃ！」

『なに』

渡「今、足に、冷たい、わあああ」

『翔太の声にびっくりする』

渡「だって何も見えないしなんか寒いし…」

『もー仕方ないなー』

恐怖で震える腕にAの腕が絡められる。
いや、これはこれで色んな意味でやばいです。

『少しは安心した？』

渡「…うん」

『小学校の肝試しを思い出すね』

毎年、小学校では肝試しが行われていた。
断り続けていたが、最後だからと6年生の時は強制参加。
じゃんけんで俺はAのペアを勝ち取り、今みたいに腕にしがみついて回った記憶がある。

『あの時は泣いちゃって大変、』

渡「それ以上言ったら殴る」

その後も走って叫んでゴールした頃には2人とも汗だく。
もしかしたら俺のせいで楽しめなかったかなと思ったけど「楽しかった」と言ってくれたので安心した。

・

『おいひ～』

30分後に行われるパレードの場所取りをしつつチュロスをかじる。何気なくスマホを開くと、辰哉から大量のメッセージが。

渡「ねえA」

『？』

パシャ

彼女がこっちを向いた瞬間にインカメでツーショットを撮る。口に詰め込みすぎ(笑)

それをグループに送信すると、再び鬼のような通知に悩まされたのだった。

・