My Destiny Ⅲ (ページ36)

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「おまたせ～…ってこの状況は？」

それもそのはず。水を買って戻ってきたら、旦那と初対面のはずのカップル？が仲良く話しているのだから。

岩「おかえり〜！お水ありがとう」

『ありがとうございます』

渡「ご迷惑おかけしました」

奥様からお水を受け取った翔太は、一口飲んで「あー生き返る」と声を漏らした。

岩「俺も復活！あ、紹介するね。こちら同僚のA先生とカリスマ美容師の渡辺さん」

『はじめまして。Aと申します』

渡「渡辺です」

説明を聞いた彼女は、私たちを交互に見て目を輝かせる。

岩「で、こっちが妻の…」

つ「岩本つばきと申します。おふたりの話は夫からよく聞いていたので、お会いできて嬉しいです」

そのままベンチで話をする中で、次はどこに行くかの話題になった。

渡「俺らはお化け屋敷に、」

『行きません』

渡「はあ？なんでだよ」

『あなたがビビりで泣き虫なの知ってますから』

渡「おい待て。お前の記憶は5歳児のままか？」

そんな言い合いをする様子を、岩本夫婦は楽しそうに見ている。

岩「俺たちは次これに乗ろうと思ってるんです。よかったら…」

『乗りましょう！』

彼が提案してくれのは、子どもでも楽しめるライド型のゆるい乗り物。不満気な翔太を岩本先生がうまく誘導してくれているので、私は奥様と並んで歩く形になった。

つ「彼氏さんと仲良しですね」

『あー…確かに仲は良いですが、ただの幼馴染です』

そう答えると、彼女は丸い目をさらに丸くし驚いている。

『そんな驚きます…？』

つ「すみません。個人的な意見ですけど、どう見ても(・・・・・)カップルにしか見えなかったので」

私と翔太がカップルねえ、、

つ「私と夫も幼馴染なんですよ」

『えっ』

つ「お互い好きなのに素直になれなくて。かなーり遠回りして結ばれました」

小中高と一緒で高校の時に何となく付き合ったものの、幼馴染ゆえに色々と上手くいかずすぐに別れたらしい。

つ「幼馴染というフィルターを通して見ると、どこまでいっても幼馴染なんです。でも思いきってそれを外してみたら、ようやく本当の気持ちに気づきました」

そう言って岩本先生の背中を見つめる瞳は優しくて、大好きなのが伝わってくる。

『そのフィルター…私にも外せるでしょうか』

つ「もちろんです」

そのまま前を歩く2人と合流し、ゆるーいアトラクションを一緒に楽しんだ。

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