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なんと今日の翔太さんは、何でもいう事を聞いてくれるらしい。ちょっと怖いけどお言葉に甘えようか。
まずはグッズ売り場へ。
自分のを選びつつ、彼に似合いそうな物を色々と試着してもらう事にした。
渡「これはさすがに」
『しょ…た、か、わいい…ふふっ』
渡「笑ってんじゃねーか。ふざけやがって」
どう見ても女の子向けの物も時々混ぜたりして。
文句を言いながらもつけてくれるから、少しだけ楽しませてもらった。
『私はこれにしよっかなー。似合う？』
渡「…いいじゃん。俺もこれにする」
『えっ、お揃い？(笑)』
渡「ダメなの？」
いや、ダメではないけど。
まさかお揃いを選ぶと思わなかったので驚いた。
何も言わないのをOKと捉えたのか、翔太はカチューシャを2つレジに持って行く。
『自分で買うよ！』
渡「は？約束忘れたの？」
もちろん覚えている…が、本気だったのね。
渡「財布出したら罰金だから」
お金払おうとして罰金とか意味が分からない。
言われるがまま入口で待っていると、後ろからカチューシャが着けられる。
『！ありがと。嬉しい』
渡「…。ほら、次行くぞ」
そっぽを向いたままスタスタと行ってしまうので慌てて追いかける。彼の頭で左右に揺れるカチューシャがなんとも新鮮で可愛いな。
渡「最初はこれに乗る」
『これって』
私たちの前にあるのは、すのパーで1番怖いとされるジェットコースター。
『大丈夫？高校の時…』
渡「大丈夫。10年以上経ってるし、それに」
こちらを振り向いた彼は、こう言い切った。
渡「もう我慢させたくない。いつも俺が乗れない時、一緒に残ってくれたじゃん」
あー…そんな事もあったっけ。
渡「だから、」
『私も翔太とおなじ』
渡「？」
『一緒にいると楽しいから残ったんだよ』
「我慢じゃない」と伝えれば、大きなため息をつきながら私にデコピンをする。
『いった！』
渡「同じなわけねーだろ…さっさと来い」
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早く乗れるパスの対象アトラクションだったので、あっという間にあと1組の所まで来た。さっきから一言も喋らない翔太を見ると瞑想している。
『やっぱやめとく？』
渡「話しかけんな。精神統一してんだから」
ス「お次のかた1番前どうぞ〜」
まさかの1番前。
隣に着席した彼の震える手を握り「大丈夫だよ」と言えば、少し恥ずかしそうにこう言った。
渡「ナメてんの？でも、、ありがと」
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
