My Destiny Ⅲ (ページ27)

今日:38 hit、昨日:162 hit、合計:102,425 hit

125 深澤side ページ27

・

深澤side

いよいよパーティー当日。
今回は目黒も加わり、賑やかに楽しく過ごせた。
プレゼントも喜んでもらえて嬉しかったな。

Aの事を送りたい目黒をみんなが阻止してくれたので、パーティー後はいつも通り2人で帰れている。覚悟を決めてきたはずなのに、いざ2人になると落ち着かない。

少しくらいお酒飲んどいたほうが良かったかな？なんて考えていると、Aと至近距離で目が合い思わず逸らしてしまう。感じ悪かったよね。案の定「おかしくない？」と言われてしまった。

いつもは平気で手だって繋ぐくせに何してんのよ俺。
「待ってて」と彼女から距離を取り、抱き枕からパワーチャージ。一息ついて戻ると、ベンチに座り空を見上げる綺麗な横顔。

柄にもなく"月が綺麗ですね"なんて言ってみるが、意味が伝わっているのかいないのか完全スルーされた。わら

"これははっきり言わないとだめだ"

でもどうしても顔を見て言う勇気が出なくて、思い切り抱きしめ想いをぶつけた。

『えっ…え、と』

深「ごめん。びっくりするよね」

『びっくり…というか、え、私？ずっと？』

やっぱりこうなるんだよな…ある意味予想通り。

『そういう風に見たことなくて、』

深「知ってた。でも俺はAの事が好きで、幼馴染以上になりたいと思ってる。それだけは覚えておいてほしい」

『…うん。ありがとう』

"ありがとう"それはどういう意味？
そんな事は聞けるわけもなく、彼女から身体を離して再び2人で駅に足を進めた。

『辰哉の言う通り、ほんと月が綺麗だ』

俺と同じようなセリフだけど、きっとそこには純粋な意味しかないのだろう。

『また金曜日ね！おやすみ』

深「おやすみ」

一足早く最寄り駅で降りた俺は、ゆっくり自宅に向かう。

"言えてよかった"

"迷惑だったかな"

"少しは俺を意識してくれる？"

"気まずくなったらどうしよう"

色んな感情が溢れてきて、頭の中がぐちゃぐちゃ。

帰り道のAはいつも通りに振舞っていたけど、やっぱりどこか違って。

俺は間違ってしまったのだろうか。

もう元には戻れないのだろうか。

正解が分からずネガティブになる自分が嫌だ。

ピロン♪

課長明日の予定変更。あさイチで雪坂高校へ頼む。
深澤承知しました。直行します。

明日も彼女に会うかもしれない。

そう考えると変に緊張して、一睡もできず朝を迎える事になるとは思わなかった。

・