120 目黒side ページ22
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目黒side
理由を問うと、彼は少しだけ考えてから言葉を紡ぐ。
宮「目黒くん、俺らに色々言ってくれたでしょ」
目「その節はすみませんでした」
宮「ううん。俺は感謝してるんだよ。いつかはハッキリさせないといけない事だったし」
そこからは3人でルールを作った事、2人が行動に移そうとしている事などを教えてくれた。
宮「仮にどっちかがうまくいった場合。もうみんなで楽しくパーティーなんて出来なくなるのかなーと思って」
目「でも、そうならないためのルールじゃ」
宮「そうなんだけど、」
目「…考えてみてください。宮舘さんがうまくいった立場だったら、みんなと過ごしたくなくなるんですか？」
宮「それは絶対にない」
目「ですよね。少なくとも俺には、皆さんがそんな事で離れるような関係には見えません」
俺の言葉を聞いた宮舘さんは、今まで聞いたどの声よりも大きな声で笑った。
目「！ごめんなさい。偉そうに」
宮「なんで謝るの？目黒くんのいう通りだよ。自分でルールとか言い出したくせに、勝手に不安になってカッコ悪すぎるよね」
ツボに入ったらしく、しばらく笑っていた宮舘さん。
こんな笑う人だったとは。
時計を確認すると、約束の時間まであと20分。
最後にもう1つだけ質問させてもらおう。
目「さっきから2人の話ばかりですが、宮舘さんは」
宮「言わないよ」
目「それって…辛くないですか？」
彼は少し考えてから「うん」と小さく頷いた。
目「ラウが心配してました。お兄ちゃんは優しすぎる、他人の気持ちを優先しすぎるって」
宮「そっか…でも今回の事に2人は一切関係ない。この気持ちに気づいた時に自分で決めたんだ」
俺の目を見てはっきりと言い切る宮舘さんに、これ以上は何も言えないと悟った。
宮「それにしても、いつの間にそんな仲良く？」
目「しょっちゅう電話してますから」
宮「付き合いたてのカップルみたい(笑)これからも仲良くしてあげてね」
宮舘さんに見送られ一歩外に出たが、やっぱり一言だけ言いたい俺はくるっと振り向いた。
目「後悔だけはしないでください」
「わかった」と困ったように笑う彼に「行ってきます」と告げる。
宮「いってらっしゃい。パーティーは19時半スタート予定だけど、気持ち早めに来てくれると嬉しい」
目「了解です」
階段を降りて上を見ると「気をつけて」と手を振ってくれていて、なんだか温かい気持ちになった。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
