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目黒side
ラウからお願いされ宮舘さんの手伝いをする事に。
誕生日パーティーに参加できるのは嬉しいし、休みだからいいんだけど…2人は気まずくないか？
しかしそんな心配は不要だった。
ドキドキしながらインターホンを押すと、笑顔で迎え入れてくれる。
宮「無理言ってごめんね。ありがとう」
目「いえ。お邪魔します」
中に入ると、キッチンにたくさんの食材が並べられていた。
目「キッチン広っ」
宮「でしょ？ここ1番こだわったんだ」
メニューに合わせて作業分担をし、手を洗ってからそれぞれ作業に移る。
宮「そういえば、ケーキはお願いできるんだっけ」
目「はい。バイト先で作ってくれてるので、あとで取りに行きます」
宮「助かる。そこまで手が回りそうになくて」
じゃがいもを剥きつつ、ふと感じた疑問を投げかける。
目「誕生日パーティーの時は、いつも1人で準備してるんですか？」
宮「そうだよ。前回はラウが手伝ってくれたけどね」
目「となると…宮舘さんの時は誰が」
それを聞いた彼は「知りたい？」とクスッと笑う。
宮「料理は基本的にテイクアウト。でもケーキだけは絶対に手作りでさ」
みんなほぼ料理初心者で見た目も味も完璧とは言えない出来だけど、それがものすごく嬉しいんだとか。
宮「もはや愛おしいの。あとで写真みてほしいな」
その後は黙々と作業を進め、一通りの下準備を終える。
タイミングよくオーナーから連絡が来て、30分後にケーキを取りに行く事になった。
宮「本当にありがとう。あとは1人で大丈夫。カフェ行く前にこれだけ見て」
画面に映っているケーキ？にはこれでもかと苺が盛られており、チョコプレートにはかろうじて読める字で"りょうた"と書かれている。
スライドしていくと顔にクリームをつけたA、チョコペンで必死に書いている渡辺さん、苺をつまみ食いするラウ、深澤さんの自撮りなどたくさんの写真が。
宮「俺が苺好きなの知ってるから、いつもたくさん乗せてくれるんだ」
そう言って最後に見せてくれたのは、ケーキを持った宮舘さんを囲んだ集合写真。それを見た俺は、元々自分の入る隙なんて無かったのだと痛感すると共にこの関係が尊いと思えた。
宮「…これも今回で終わりかもしれない」
聞こえるか聞こえないかのボリュームで彼はそう呟いた。
声が少し震えていて、俺にそんな資格はないと思いつつも理由を聞かずにはいられなかった。
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 15時
