My Destiny Ⅲ (ページ14)

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聞き間違いかな。
あの翔太から"謝る"という言葉が出るなんて。

渡「酷いこと言った」

ラ「蓮くんも反省してるって言ってたよ。だから、今度みんなで仲直りね！」

渡「ん」

今日の翔太さん、やけに素直じゃないですか。
そんなことを考えていると横から視線を感じる。

深「俺ね、Aちゃんにもう1つ聞きたい事あって」

『その呼び方やめて？ゾッとする』

「ひどっ」と言う辰哉にみんなで笑っていると、急に真面目な顔になり言葉を続けた。

深「…元カレの事」

宮「こら辰哉」

深「言いたくないって言うから聞かなかったけど、目黒には話したんだよね？」

『聞いたら…きっと嫌な気持ちになるよ』

渡「だから？」

静かに聞いていた翔太が口を開く。

渡「嫌な気持ちになったっていいじゃん。1人で抱え込まれる方が嫌なんだけど」

周りを見ると、全員が首を縦に振っている。

心配かけるのが嫌で言いたくなかった。
彼らも聞きたくないだろうと決めつけていた。

何でも話せる関係だと思っていたけど、もしかしたら近すぎるが故に言えていない事って実はたくさんあるのかな。

『…簡単に言うと浮気されました』

元カレとの事を順を追って説明した。
聞き終えたみんなの表情からは怒りが見て取れる。

ラ「許せない！」

宮「辛かったね」

『でも、もう大丈夫。蓮さんのおかげもあって、今なら恋愛にも前向きになれそう』

渡「それはそれでムカつく」

『なんでよ』

深「そばに居てあげられなくてごめんね」

『ううん。こんな話、聞いてくれてありがと』

なんだかスッキリしてる。
本当はみんなに聞いて欲しかったんだろうな。

ラ「はい！俺からも質問いいですか？」

『どうぞ』

ラ「欲しいもの教えてください！」

渡「話ぶっ飛びすぎだろ」

いきなり欲しいものと言われても…
物欲の無い私がパッと思い浮かぶのはこれしかない。

『涼太の手料理』

宮「それは…プロポーズ？」

『えっ！？』

そういえば味噌汁どうのこうのってプロポーズをドラマで見た事がある。でも別にそういうつもりじゃ…

私が1人焦っていると、クスクスと笑い声が。

深「あ〜おもしろ〜」

渡「焦りすぎ」

宮「大丈夫。わかってるから」

…恥ずかしい。
こんな時は！閃いた私はドヤ顔でこう伝える。

『皆からもらえたら何でも嬉しいよ』

渡「そのセリフ目黒からの受け売り？」

やっぱり幼馴染ってスゴい。

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