My Destiny Ⅱ (ページ40)

今日:252 hit、昨日:116 hit、合計:123,834 hit

89 ページ40

・

蓮さんは翔太をジーっと見て「思い出した！」と言った。

目「JUICYの渡辺さん？カリスマ美容師の」

渡「まあ…はい」

目「えーすっご！雑誌で見たことあります」

何だか2人いい感じじゃない？翔太も嬉しそうだし。

宮「おまたせ。ビールと、いつものね」

飲み物が届いたところで2人で乾杯する。

目「美味すぎる…外で飲んだの久しぶり」

『家とはまた違うよね』

私も一口飲み辰哉をみると、珍しい色のお酒を飲んでいた。

『辰哉が飲んでるの何？』

深「んー？なんだっけ」

宮「スノーボールだよ。甘いの飲みたいって言うから」

"スノーボール"は甘口で度数も強くなく特に女性に人気のカクテルらしい。お酒に強くない辰哉にぴったりのチョイス。さすが涼太。

『初めて聞いた…美味しい？』

深「美味しいよ～飲む？」

そう言って私にグラスを差し出す。

『じゃあ一口…んっ甘くて美味しい』

深「でしょ」

ふにゃっと笑う辰哉を見ていると、涼太が「そういえば」と言った。

宮「来週の土曜日、花火大会だね」

『あっ、そうじゃん』

雪が丘では8月の第2土曜日に花火大会が開催される。
最近色々な事が起きすぎてて、すっかり頭から抜けてた。

宮「せっかくなら2人で行ってきたら？」

たしかに。付き合ってからどこもお出かけとか出来てなかったし丁度いいかもしれない。そう思い蓮さんを見るが、彼はボーッとしていた。

『蓮さん？どうかな？』

目「えっ。あ、ごめん。なに？」

『来週の土曜日。花火大会一緒に行かない？』

目「いいね。でもオーナーに聞いてからでもいい？」

『うん！』

深「花火大会といえばさー、小学生の時翔太が…」

渡「おいやめろ」

『あーあれか』

宮「懐かしいね。あと中学生の時…」

辰哉の言葉を皮切りに昔話に花が咲く。
やっぱりみんなと話すのは楽しいなと思っていると、左腕をツンツンされる。
「ん？」と蓮さんの方を見ると、耳元でこう囁かれた。

目「…ねえ、俺んち行こ？」

そう言ってジーっと見つめる瞳に私は勝てなかった。
小さく頷くと彼はさっと会計を済ませ「ごちそうさまでした」と私の手を引いて店を後にした。

足早に歩く彼についていくのに精一杯で、終始無言のままアパートに到着し彼に続いて部屋に入る。

『お邪魔しま……んっ』

扉が閉まると同時に蓮さんの唇が重なる。
こないだとは違う深く荒々しいキスだった。

・