My Destiny Ⅱ (ページ25)

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大学生の頃付き合っていた彼氏と結婚まで視野に入れていた矢先、彼氏の家に他の女の影が見えた。

別れたくなくて何も言わなかったら、味を占めた彼氏の行動はエスカレート。浮気相手といる所に鉢合わせてしまい知らんぷりできなくなった。

ショックだったのは彼氏が悪びれる様子もなく「別れて」と言ってきたこと。ものすごく傷ついて人間不信になりかけた。

傷つけたり傷ついたりするくらいなら恋愛なんてしたくない。楽しい思い出もたくさんあったはずなのに、嫌な記憶がこびりついて離れない。社会人になって幼馴染と再会し仕事も楽しい。今の平和な時間に満足しているのだ。

目黒さんは静かに聞いてくれていたが、私が話し終えると思わぬ提案をする。

目「もしも恋愛なんて一生したくないというわけでなければ、俺で試すのはどうですか？」

『試す…？』

目「俺も遊んでた時期あるしとやかく言う資格ないんですが、元カレ(そいつ)のせいでAさんが一生恋愛できないの嫌です」

遊んでた時期。幼馴染がお兄さんと結婚した頃かな？

目「だから俺とお試しで付き合ってみませんか？無理ってなったらやめればいいし、良いじゃんってなったら正式採用！」

「どうでしょう」と目を輝かせて聞いてくるが、それって…

『目黒さんにとってメリットないですよね？』

目「あります！頑張るチャンスですから！」

『…いいんですか？』

目「Aさんが良ければぜひ！」

そんな厚意に甘えてしまって良いのだろうか…仮にそうするにしても、条件は決めておいた方がいい気がする。そこで私は1ヶ月のリミットを設けた。それ以上は彼の時間を奪いたくない。

目「燃えますね！1ヶ月で正式採用されて、お誕生日を彼氏として祝うのを目標にします！」

『これから、よろしくお願いします』

こうして前向きすぎる目黒さんとのお付き合い(仮)が始まった。奢ろうとする彼を押しのけ割り勘で会計を済ませると、何やら不満げな顔をしている。

目「……Aさんって結構頑固ですよね」

『だって奢ってもらう理由ないじゃないですか』

目「付き合った記念です！」

『それはお互い様でしょう』

どちらからともなく笑って帰り道を進む。
駅に向かうかと思いきや、方向が違うような…

『駅ってこっちでしたっけ』

目「違います。俺の家に向かってます」

『え、なんで』

私がそう尋ねると、目黒さんはにやりと笑った。

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