My Destiny Ⅱ (ページ12)

今日:15 hit、昨日:334 hit、合計:123,931 hit

61 ページ12

・

チケットをもらった私は入口に向かおうとするが目黒さんに引き留められ、近くにあったベンチに並んで座った。

目「あの、最初に伝えておきたいことがあって」

伝えておきたいこと？私が言葉の続きを待っていると、彼は意を決したように言った。

目「俺、Aさんの事が好きです」

…え？今ですか？

目「すみません。いきなり」

彼の話によると、読んだ雑誌の中で"興味がない相手でも、告白されたらその日1日は頭の中がその人でいっぱいになる"と書かれていたらしい。そうかもしれないけど、それを素直に実践しちゃうのもどうかと思うよ！

目「せっかく一緒に過ごせるなら、少しでも俺の事考えてもらえたら嬉しいなって思ったんです…」

ストレートに気持ちをぶつけてくる彼の熱量に、私は根負けした。

『ありがとうございます。目黒さんの気持ちを真摯に受け止め、今日1日過ごしたいと思います』

それを聞いた彼は爽やかに笑って立ち上がり、2人で入口に向かった。中に入ると、視界いっぱいに私の大好きな青の世界が広がる。

『久しぶりに来たけど、やっぱりこの空間最高です！』

目「そんなに喜んでもらえて俺も嬉しいです」

『すみません。はしゃいでしまって』

目「…可愛いです。新たな一面もっと見せてくださいね」

涼太で慣れているはずなのに、こういう事をサラッと言われると恥ずかしい。

目「あ、ちょうどシャチが見えそうです」

水族館の好きな生き物トップ5に入るシャチ。見逃すわけにはいかない。しかし今日は休日。人気者のシャチの水槽の前は、人で溢れていた。子連れが多く、背の高いお父さんが前にいると全然見えない

目「Aさん、こっち」

目黒さんは私の腕を引き、自分の前に立たせてくれたが…近い

目「ここなら見えますか？」

『み、見えます。ありがとうございます』

しかし見ている間も後ろから押され、ついに密着してしまった。背中に意識が集中し、正直シャチを見るどころではない。こんな事で戸惑うなんて私は高校生か。

その後、お目当てのイルカショーまで時間があるので、トンネル水槽を見ることに。他の所とは違い明るめで、彼の顔もよく見えた。楽しそうに写真を撮る横顔に私は思わずカメラを向ける。

パシャ

目「…撮りました？」

『！ごめんなさい、綺麗でつい』

慌てて写真を消そうとするが、彼に止められる。

目「消さなくていいです。でもその代わり…」

・