50 宮舘side ページ1
・
宮舘side
Aが婚活パーティーに行くらしいと翔太から連絡がきたのは昼頃。居ても立っても居られなくなったのか、辰哉が家まで押しかけてきた。
深「ねー涼太。俺、嫌って言ったんだよ」
宮「そういう話が出たってこと？」
深「そ。俺の同僚が婚活パーティーで出会った人と結婚する事になって、それを聞いたAが私も行こうかなって言ったのよ」
そんな事があったのか。そういう時にはっきり嫌と言えるのは辰哉のいい所だと思う。
宮「行く事になった以上、あとは本人からの報告を待つしかないね」
深「なーんでそんな冷静なのぉ？」
ソファに座る辰哉は落ち着かない様子だ。かくいう俺も別に冷静なわけではない。でも2人でソワソワしてても仕方ないし。
宮「ところで辰哉、お昼は食べた？」
深「食べてない。ていうか食欲ない。」
宮「食べないとだめだよ。そうだ、付き合ってほしい店があるんだけど」
あまり乗り気ではなさそうだが、俺は無理やり外へ連れ出すことにした。
深「どーこいくのぉー」
宮「あと少しで着くよ」
到着したのは、俺の店から徒歩圏内にあるラーメン屋。
ずっと気になっていたのだが、いつも行列なので1人で並ぶ勇気がなかったのだ。
深「食欲ないんですけどぉ」
宮「じゃあ食べなくてもいいから、話し相手になって」
我ながら強引だとは思ったが、気分転換にはいいと思う。ブーブー言いながらも付き合ってくれる辰哉は優しいな。暫くして順番が来たので席に案内される。
宮「俺は塩にしよっかな。辰哉は？やめとく？」
深「…せっかく並んだし、味噌で」
作戦成功。ラーメン好きの辰哉ならこうなると思ってた。そのまま家に戻って、お腹が膨れて眠い辰哉とお昼寝タイム。
1時間後にアラームが鳴って目が覚めると、見事に辰哉の抱き枕になっている。A以外でも抱き枕にする事を初めて知った。
深「…A…」
寝言で名前を呼ぶなんて、夢の中でも心配してるのかな？そっと辰哉の隣を離れ、店に降りて開店準備を始めた。
〜20時〜
翔太とラウも到着し、4人でAが来るのを待つ。
ラ「俺、外見てくる！」
渡「いや、ラウは手伝いあるだろ。俺が行く」
深「お、俺も！！」
そんなやり取りをしていると、入口が開く音がした。
全員がすごい勢いで振り返ると、お目当ての人が困惑した表情でこちらを見ている。
『びっくりした…みんなお揃いで』
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 547人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこ | 作成日時：2023年9月28日 6時
