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目が覚めたときには、見慣れない景色と、手足の自由を奪われた感覚だけがあり、それ以外は何も考えられずボーッとしていた。。
「目、覚めた?」
私が起きたときにかけてくれる蓮くんの優しい声ではない。
条件反射で恐怖と嫌悪感をおぼえ、眉間にシワが寄っていたようで、
「俺の可愛いAの顔が台無しだよ?そんな表情しちゃ。」
そう言いながら私の左頬を撫でる手。
大きさ的にはきっと蓮くんと同じくらいの大きさなんだろうけど、イヤでイヤで仕方ない。
A『さわらないで!!』
「なんで?俺の気持ちはこれまでも伝えてるよね?婚姻届も用意してあるよ(^-^)」
A『そもそもあなたの事知らないし、、それに!』
「目黒蓮」
A『大切な人なの、、とっても。』
A『私は彼を、彼は私を、同じくらいの気持ちで想い合ってる。』
A『彼がいないと生きていけない。』
「話は終わった?」
A『ぇ?』
「こんなにAのことを愛してるのに、その俺の前で他の男の事をペラペラペラペラ、、」
「前にも話したよね?分からないなら、力づくでアイツからAを奪うだけだよ。」
目つきが鋭くなった男が近づいて、私の胸ぐらをつかんで顔を近づけて、、
「最後に聞くよ?俺のものになる?」
A『ぜっっっつたいならない!!』
男の目を盗んで、ジリジリと外していた手首に巻かれたタオルを男の目の辺り目掛けて投げ、隙をついて逃げ出す。
「おぃ!!!!」
片手でスマホを操作し、警察に通報した。
学生時代、陸上をやってたおかげか、足の早さにも持久力にも自信があった私は、なんとか大通りまで出て、警察署に駆け込んだ。
道路を挟んで向かい側に男がいるけど、交番にいる私のところまではさすがに来られない。。
むしろ、後退りして帰っていった。
そのあとマネージャーに連絡がいき、事情聴取をされ、、
警察署を出たのは駆け込んでから、約3時間後だった。
怖かったけど、
正直、疲れた、、ってのが本音。
マネ「A、、、」
A『怒ってる?』
マネ「わかってんじゃん」
A『、、、ごめんなさぃ。』
マネ「、、信用してくれてるって思ってた」
A『してるよ、信用してる!!』
マネ「、、、今はちょっとお互い、落ち着かないと、感情任せな言葉ばっかになっちゃうから、、明日家行くわ、、」
A『ん、、わかった。』
マネ「送る、、」
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作者名:mime | 作成日時:2023年10月8日 19時