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特別室、と書かれたドアの前。
控えめにノックすれば、部屋の中から聞こえたのは大好きな人の声。
A『はい。』
ゆっくりと開けるけど、ベッドがあるであろう場所の周りをカーテンで囲ってある。
まだ陽が高い時間なこともあり、窓からの陽を受けた室内は暖かさを感じる。
蓮「Aちゃん?」
カーテン越し、そっと話しかけると、
A『え?蓮くん?』
蓮「カーテン、開けても良いかな?」
A『ぇ、ぁ、うん、』
逸る気持ちをよそに、カーテンを開ければ、、、
A『れんくん、』
仕事のスケジュール都合で会えなかったと思っていたAちゃんが、ベッドに座り、左手には点滴の管がついていた。
A『どうして、、』
言葉を発するより先、Aちゃんのそばへ行き、右手を握る。
心なしか、いつもより手が小さく細く感じる。
A『マネージャーさんに聞いたの?』
A『それしかないよね?、、、もぉ、、言わないでって言ったのになぁ(^ー^)』
A『蓮くん?』
なにも話さず見つめられてるだけの状態に耐えられなくなったのか、困り顔のAちゃん。
蓮「なんで何も言ってくれなかったの?」
A『ごめんね?心配かけたくなくて、』
蓮「どっちにしても心配する。しかもあとから知ったら、頼りにされなかった寂しさもついてくる。」
A『ごめんなさぃ。』
蓮「謝ってほしいわけじゃない、、頼ってほしいし一人で我慢しないでほしい。」
A『、、、はぃ。』
蓮「ぁ、ごめ、、っっ!!!」
A『蓮くん?』
蓮「、、抱きしめたいのに、点滴中じゃ、」
A『して?』
蓮「へ?」
A『、、ぎゅってして?』
そう言いながら俺に握られてた右手を引いて、俺を引き寄せたAちゃんの頭をそっと撫でながらおでこをくっ付ければ感じること、、
病院にいるって言うのに、Aちゃんのにおいは相変わらずいいにおい。
A『力強いでしょ?入院してるけど、元気だよ(^ー^)』
蓮「よかった( ´ー`)でも痩せたよね?」
そう話ながら頬を撫でればくすぐったがりのAちゃんは顔を背けてしまった。
A『そうかな?そんなことなかったけど、、』
蓮「いつ退院できるの?」
A『検査の結果、今日出るから、それ次第で決まるけど、、明日には大丈夫じゃないかな?』
蓮「ご飯いこ!めっちゃ食わせる!」
A『蓮くんの奢り?』
蓮「あたりまえ( ´ー`)」
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作者名:mime | 作成日時:2023年10月8日 19時