パパは、パン屋さんっ！ごっ！

パパの朝は、大忙しっ！ ページ7

蓮Side


Aたちを見送って、チャイを抱いて中へ入ると、キッチンのカウンターには涼太の水筒。


蓮「やばいじゃん！これ急いで届けないと！
…あっ！」


キッチンのカウンターに置いてある水筒に手を伸ばせば、その横にあったAのスケジュール帳が両開きで裏向きに床に落ちた。


チャイ「きゃんきゃんっ！(パパ、ママの大事なものおとしちゃだめでしょ)」


涼太の水筒ホルダーを肩にかけ、しゃがんでスケジュール帳を拾って見ると


蓮「…すっげー！！これ見るだけで、みんなの予定ひと目でわかるじゃん！」


そこには、自分の予定だけでなく翔太・涼太・亮愛の園の行事やお弁当の日、大介と康二の検診日、俺の仕事の予定までぎっしり書かれていた。


すごいな！と尊敬する一方、定期してるチェックしてる女の子の日のマークが書かれていないことに心配になる。


蓮「A、勝手に見ちゃってごめん。でも、心配だから捲らせてね」


こんなの勝手に見ちゃダメだってことぐらいわかってる。

わかってるよ。


でも、3つ子や双子のことだけでなく俺のことまでちゃんと考えてくれて、どうしても自分のことを後回しにしてるAの異変に気づいてあげられるのは俺だけだから。


デリカシーのなさと罪悪感を感じながら、先月のページを捲れば、ちゃんと女の子の日のマークがされている。


ちゃんと来てるから安心。


なんて思いたいところだけど、次の予定日のはずの日から2週間超えてんじゃん！


3つ子と双子の経験上、妊娠の可能性の方が高い気するけど、万が一のことがあったらなんて考えると心配で堪んないし、さりげなく、産婦人科行こっ！って促して心配だし付き添うか。


スケジュール帳を閉じて、チャイをゲージに入れ、涼太の水筒を持ち、店の厨房に行きいちばん頼りにしてる従業員に声を掛ける。


蓮「京本くん、涼太が水筒忘れていったから、届けてくるね！その間、お店お願いしていい？困ったこととかあったら、いつでも連絡して。じゃあ…」


京本「ちょっと待ってください！店長！」


蓮「どした？」


京本「俺のミスで、限定数のクロワッサン出荷の車に乗せるの忘れちゃって…」


ごめんなさい。と作業を中断して、申し訳なさそうに謝る京本くん


「任せっきりだったし大丈夫！ついでだし、俺が届けてくるわ」


京本「あざっす！」


店を出て、出荷し忘れたパンを車に積んで、幼稚園に向かった結果、今に至る。


蓮「忘れ物届けにきたよ！」

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