桜色デイズ【桃】 (ページ10)

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『体育祭？』

「そう、5月なの！」

『めっちゃ早いじゃん！練習とか大変じゃない？』

「毎年1年生は誰が誰かもわかんない中でやるから、2年生になって消化不良だった気持ちを1年生も巻き込んで爆発させるって、先輩が言ってた」

『おもしろ笑笑笑目黒くんか』

「そ、そうだけど。でもこの話最初に始めたのは向井先輩だよ？」

『あ、美術部のね』

私は入学後すぐに部活を美術部に決めた。中学の時からそうだったし、やっぱり自由に絵を描きたいから。

そうしたら2年の向井先輩という人が出迎えてくれて。

───うわ、康二なんか背縮んだ？

───いや縮んでへんねん！やかましいわ

見覚えがあるな、と思ったけれど、向井先輩はやっぱり入学式の日に見た目黒先輩と歩いていたあの関西弁の人だった。

『いいじゃん。順調に仲良くできてんでしょ？』

「まあ.......？」

『なんで疑問形なんだよ笑、まあよかったよかった』

部活の本格始動はまだもう少し先ということで、それをきっかけに今日は向井先輩と目黒先輩と一緒に帰れたのだ。

今はそれをさっくんと電話で話している。