桜色デイズ【桃】 (ページ49)

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「～～～～～～っ！！」

「おお、随分熱烈なお出迎えじゃん。どした～？」

「うわああああああああ...っ」

「ええっ？！待って、ちょ、え泣かないで？！どっかぶつけた？！」

「会いたかった.......」

「...あー、そうだね。寂しかったか」

ぎゅっと抱き着くとさっくんは私をちゃんと受け止めてくれて、あたたかい手が背中を撫でる。

受験が終わって合格の報告をしに行ってから、当たり前だけど学校も無いし、大学の手続やらなんやらでしばらく会えない日々が続いていた。

そういう寂しさとサプライズで会いに来てくれた驚きもあるけれど。

「...さっくん、髪」

「あ、そうそう。どう？嫌じゃない？」

「全然！めちゃくちゃかっこいい」

「あははっ、言うじゃん。Aも今日めっちゃかわいいね、おしゃれして」

「ほんと？！うれしい、ありがとう」

さっくんの髪の毛は鮮やかなピンク色に染まっていた。

私たちの関係の節目にもなった、あの春と同じ色。

だけど不思議と今は、綺麗な色に見えて。

「ほらA、せっかく大介くん来てくれたんだし写真撮ろ！」

「...あ、ご無沙汰してます」

ママが私たちのところへ近づいてきた。鞄からカメラを取り出して起動しはじめる。

するとさっくんがママに一言告げて、

「おばさんすいません、一瞬いいですか」

「はいはい、どうぞ」

まるでママはこれから何が起こるのか分かっているといった風に笑う。

そしてさっくんは私から少し離れて、真正面に立った。

「A」

「.......？」

「卒業、おめでとう。...それと」

同じくらい鮮やかな花束がそっと差し出される。

「俺と、付き合ってくれますか」

「はい！！」

この喜びを共有したくて、飛びついてぎゅっと抱きしめれば同じ強さで返ってくる。

桜色にきらめく空が、これからの素敵な日々を予感させていた。