桜色デイズ【桃】 (ページ42)

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いつものように、お馴染みの公園で飽きるまで遊ぶ予定だった。

生活指導のセン公たちを撒いて公園までだらだらと歩いていくと、何やら子供が遊んでいて。

「佐久間～なんかガキいんだけど。移動する？」

「えー？別にいいっしょ、普通にいつもあれくらいいんじゃん」

「いや、人形遊びで俺らのスペースまで使われてるし」

占領すんなよクソガキがーと呟く友人たちに適当に相槌を打ちながらまあまあと公園の入口にある石を飛び越える。

ちらりと見ると俺たちがいつも使ってる丸いテーブルにはレジャーシートが引いてあって、女の子が何人かシルバニアファミリーの人形で遊んでいた。

あいつらは邪魔だとか言うけど、まあ子供が使ってんならさすがに俺たちがそこに割り入るのはな…と遠慮して他の場所を探そうとしたとき。

「…さっくん？」

「あ？」

振り返ったのは、Aだった。

その瞬間、俺の中でまた何か嫌な感情が膨れ上がってきて。

「A」

怯えたように俺を見上げるAに、俺は言ったんだ。

「邪魔だからさ、どっか違うとこでやってくんね？」

「…………ごめんなさい」

後ろから佐久間ぁ～、やるーと口笛が飛んでくる。

一緒にいた友達が不安そうにAを見つつ、おずおずと片付けを始めた。

俺の心は恐ろしく冷えきっていた。

そして荷物を持ったAが「行こう」と友達の手を引っ張って走り出した。