桜色デイズ【桃】 (ページ41)

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右手にぎらりと光ったナイフ。

一気に距離を詰められて、俺も警棒で応戦する。

「やめろ！！こんなことしても何にもならないぞお前！！」

「なるよ、なるに決まってんだろ！！俺がすっきりすんだよ！！

あんなガキのことなんか気にして俺たちから離れて、一人だけ頑張ってます面してさぁ！！」

繰り出される拳を避けながら、先輩の方を見る。

「先輩！！今なら開いてます、Aと目黒を！」

「ああ、分かった」

先輩が開いた扉の中に入っていくのを見つつ、目の前で狂ったように叫ぶこいつを止めにかかる。

「俺を殺してもお前には何の利益も無いんだよ！！分かれよ！！」

「……っ、佐久間ぁ！！！」

大声を出されたその一瞬、ひるんで腕の力が緩んだ隙に盛大に蹴り飛ばされる。

塀に身体が激突して、全身に痛みが走った。

全身の力をかけられて、振り切ろうにも全く動けない。

「っ.......！！」

「ずっと一緒に遊んでたのに、途中から俺たち裏切って、」

「それとAは関係ないだろ！！！」

そう言った瞬間、動きが止まる。

「……なあ、それ、あの時轢かれたガキだろ」

「……Aのことか」

「あいつさえいなけりゃ、佐久間は俺たちから抜けることもなかった」

「轢かれた」という言葉に反応して、嫌な記憶がフラッシュバックし始める。