桜色デイズ【桃】 (ページ20)

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今さっきまで私が引っ張っていたのに、ラウが立ち上がった瞬間私の腕を強く引く。

(そうだ、ラウって選抜リレー選手.......！)

気づいた頃には時既に遅し。

そもそも歩幅が違いすぎるラウに半ば引きずられるような勢いで、私たちは１位でゴールした。

「それでは、ただいまのレースのお題を発表します。１位、1年4組AAさん。お題は『背の高い人』でした！２位、.......」

「最後のレースの子さ、借りに来た側が借りられてるみたいでめっちゃ可愛くなかった？！笑」

「それな？！飼い主とペットみたいでウケた、でこぼこコンビってああいうの言うんだよ多分」

すれ違った女子生徒二人組の話が耳に入って、顔が熱くなるのがわかった。

「恥ずかしすぎる.......」

「まあまあ、１位だったしいいじゃん！」

ラウに慰められながら歩いていたとき、向こうから歩いて来る目黒先輩が見えた。

「！！」

先輩もこっちに気づいたのか、にこっと笑ってまっすぐ近づいてきた。

「あ、Aさん今のめっちゃ良かったよ笑」

「先輩まで笑わないでくださいよー...」

「ごめんごめん。俺これからだからさ、参考にするね」

「..........もしかして馬鹿にされてますか？」

「あははっ、じゃあまたね。お疲れ様」

召集場所に向かう先輩を見送りながら、クラスメイトと話しつつラウと別れて私は2年生エリアへ移動し向井先輩のところへ。

「お、Aちゃんお疲れ～。もうちょいしたらめめ出てくるっぽいで」

「今さっきすれ違ってきて。もう入場始まってるんですね」

グラウンドを見れば、2年生の出場者が走って入場を開始したところだった。