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そして翌日、体育祭の日。
さっくんも誘ったんだけど、「体育祭とかイベントの日は周辺の警備あってさー、ごめんね！近く通ったら空気だけ感じとく」と言われてしまった。
そりゃそうだ、警察官なんだもんね。
今日は先生たちも校則を少し見逃してくれるという暗黙の了解もあり、私を含め女子生徒はみんな少しだけヘアアレンジをしたりメイクをしたり。
各学年ごとに指定のエリアはあるものの、開会式が終われば何人かはすぐにいろんなところに行って写真を撮りはじめていた。
「A、借り物競争最初でしょ？生徒召集してるよ」
「そうだった！ありがとう、行ってくるね」
ラウにちょんちょんとつつかれて、体育委員が「借り物競争に出場する1年生は集まってください」と拡声器で召集しているのに気づく。
小走りで入場門のところに並べば、数分後に入場開始の笛が鳴った。
(ひえーーーー、私の番だ.......)
いくつかレースが終わり、あっという間に私の番に。
「位置について...よーい、どん！！」
ピストルの破裂音が鳴った瞬間勢いよく地面を蹴る。
(どうか難しいお題じゃありませんように.......！)
不安になりながら走ったからかラッキーなことに１位でお題のテーブルにたどり着き、真ん中の封筒を取って中身を見る。
「え.......？！」
お題のカードにはなんと「背の高い人」の文字が。
一瞬先輩の顔がよぎる。
(いや、無理無理無理無理！！)
全校生徒、先生、保護者もいる前でそんなことできるはずもない。目黒先輩ファンになんて言われるか。
となると、借りれるのは─────
「ラウーーーーーーっ！！」
「えっ？！ちょ待って、俺？！」
1年生のエリアの最前でちょこんと座って観戦していたラウの手を引っ張る。
「待って俺靴はいてないから笑笑笑」
「早く！！ねえ遅れちゃう！！」
「わかったから！！...よし、行くよ！」
「わ...っ？！」
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作者名：灯莉 | 作成日時：2023年7月22日 2時
