桜色デイズ【桃】 (ページ14)

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やがて種目決めが終わり、早めに明日の連絡事項を伝達して今日は解散になった。

今日は花壇の水やりの当番で、水をまいた後にじょうろを洗おうと水道の方へ歩いていた。

洗い場の蛇口をひねろうとしたとき。

「わーーーーーっ！！待って！！いかないで！！」

「？！」

後ろの方から悲鳴に近い叫び声が聞こえて慌てて振り返れば、何やら大量のボトルが転がってきていた。

このあたりの地面は若干斜面になっているから、確かに円柱形のものを落としたらどこまでも転がっていきそうだ。

じょうろを一旦置いて、足元に転がってきたいくつかを拾う。

どうやら運動部によくあるスポドリとかを入れるやつらしかった。万年美術部だから名前が分からないけど。

「すみません、ありがとうございます...！また洗わなきゃ.......」

「あ、手伝いましょうか.......？私これ洗ったらもうやること無いですし」

制服のリボンを見るにどうやら3年生らしい。

サッカー部のマネージャーさんだろう、3年生になっても熱心にこうして仕事をしているだなんてすごいなぁ、と思う。

けれどお姉さんは

「この後人と帰る約束してて！お喋りに花を咲かせちゃいそうなんで...あはは...」

と照れ臭そうに笑う。

「確かに...喋っちゃいそうですね」

「ね！じゃあ私はこれを頑張ってもう一回洗ってきます笑」

「頑張ってください笑」

ボトルを抱え直して元来た道を戻っていく後ろ姿を見送りながら、長い黒髪を束ねている真っ白なシュシュがやけに印象的だった。