桜色デイズ【桃】 (ページ13)

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「あ、じゃあさ、玉入れやろうよ玉入れ！俺やりたいから一緒にやろ」

「玉入れ？！ラウが？！」

「だめ？」

「や、そりゃだめってことはないけど.......ラウめちゃくちゃ背高いし...」

「おっけ、決まりね。体育いいーん！ラウールとA、玉入れやりまーす！」

「む、無視.......」

何人かが黒板に集まって種目の下に名前を書いている中、ラウはデカい声で体育委員に話しかける。ああほら、体育委員の女の子困っちゃってるじゃん。

それに、教室中に玉入れ宣言が響き渡ったせいで、「ラウールが玉入れはチートだろ笑」「勝ったなこれは」「てかお前自分で書きに行けよAさんの分も笑」などと笑いが飛び交っている。

ラウは頭が良いし頼られやすいのに甘え上手の末っ子タイプで(実は一人っ子らしい)、この通りクラスのムードメーカー。

今もみんなから突っ込まれて、立ち上がってすぐに体育委員の子に「ごめん！いいよ俺書くから」と声をかけにいっている。

私もあれくらい積極的になれたら、先輩と同じ種目に出られたかなあ...と思いながら、「Aー、あといっこは？」とチョーク片手に聞いてきたラウに「借り物競争ー！」と返した。