桜色デイズ【桃】 (ページ2)

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「これから入学式？あれ、パパママは？」

「なんか準備にバタバタしてて、後から来るって」

「あ、なるほどねー！じゃ、新生活頑張ってね」

「うん！またね」

「行ってらっしゃ～い！」

さっくんこと佐久間大介は、私の8つ上の幼馴染。

私が生まれてからすぐ引っ越した家がお隣り同士で、いつも私の遊び相手になってくれていた。

いつからか警察官を志すようになって、ちょうど今年から、私の通う高校の通学路にある交番勤務になるという偶然でこうして顔を合わせることに。

お父さんもお母さんも、通学路に大介くんがいるなら安心だなー、なんて笑っていたし、私も毎朝さっくんに会えるなんてこんなに嬉しいことはない。

けれど、やっぱり目立ってしまったかな...。

なんてぼんやりと考えていたとき、すぐ横を誰かが走り抜けて行った。

なんとその人は少し前を歩いていた背の高い男の子に飛びつき、久しぶりやな！とがっつり関西弁で話しかけたのだ。

「うわ、康二なんか背縮んだ？」

「いや縮んでへんねん！やかましいわ」

知り合いなのか、ふたりは仲良さそうにわちゃわちゃと掛け合いをしながら同じ道を歩いていく。

(...仲良く、なれるといいな)

ふたりは私よりも歩幅が大きく、すぐに先へ歩いていって見えなくなってしまう。

少しだけ胸に芽生えた淡い気持ちを抱きながら、学校へと私も歩みを進めた。