Call*6 ページ8
＿＿＿＿＿
｢照れてる目黒くんかわいいね｡｣
｢えっ､｣
｢なんか新鮮というか､レアな感じがして｡｣
｢あ､あんまりからかわないでよ…こういうの慣れてないから｡｣
｢ふふ､ごめんね｡｣
勝ち誇ったような顔でそう言われて悔しかったけど､そんな表情すらかわいいと思ってしまった｡
これが惚れた弱みっていうやつなのかもしれない。
照れてる俺なんかよりずっと､村瀬さんの方がかわいいのにな。
｢もし…よかったらだけどさ､｣
｢ん？｣
かわいいね､なんてことを面と向かって言える勇気はまだないけど､今ならなぜか普段なら言えないことが言える気がした。
好きな人にかわいいって言われて､今の俺は少し気分が浮かれてるのかもしれない。
｢俺が数学教えようか？｣
趣味も特になかったせいで､俺は昔から時間があれば勉強ばかりしていた。
小さい頃にいた友達や家族からは面白みのないやつって言われてたけど､今になってかつての自分に感謝している。
あの頃勉強ばかりしていたからこそ､今こうして誘うことができているんだから。
｢え､いいの？！｣
｢上手く教えられるか自信ないけど…｣
｢そんなの気にしないでよ､教えて貰えるだけですごい嬉しい！｣
｢いつからにする？｣
｢いつからでもいいけど…
もし目黒くんがよかったら今日からでも！｣
｢今日？！｣
｢あ…さすがに今日は無理だよね､ごめん｡｣
｢俺は大丈夫だけど､もう学校出ちゃってるし場所どうする？｣
｢提案なんだけど､今からうち来ない？｣
・
・
・
｢飲み物持ってくるね！｣
｢あ､うん…ありがとう｡｣
結局､来てしまった。
女の子の部屋なんて今まで入ったことがないし､正直目のやり場に困る。
両親が共働きで家には今2人しかいないというこの状況も､俺の心拍数を加速させる。
緊張しすぎて頭がクラクラする。
でも､またこうして村瀬さんと関わる理由が増えたことが素直に嬉しかった。
来週からはテスト前期間になってしまうから､部活は休みになる。
そうなると､きっと村瀬さんは黒咲さんと帰るだろう。
つまり､来週から一緒に帰ることができない。
一緒に帰らなくなると自然と話すこともなくなってしまう訳で､今日はまだ月曜日で始まったばかりなのに､今週が終わるのが嫌になった。
＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏目 | 作成日時：2024年2月8日 20時
