Call*11 ページ13
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「急にこんなこと言われて迷惑かもしれないけど、今日は絶対にこの気持ちを伝えようって決めてたんだ。」
「迷惑なんて思うわけないよ。
目黒くんがこんな私のことを好きだって言ってくれて、すごく嬉しい。」
“嬉しい”
その言葉が耳に入った途端、全身の力がすーっと抜けていくような感覚がした。
まだ返事が聞けたわけでもないのに。
「あのさ目黒くん、少しだけ自分の話してもいい?返事を言う前置きというか、目黒くんに聞いてほしい話なんだけど。」
「…?いいよ。」
「私ね、今ではクラスのみんなと仲良くできてるように見えるでしょ?」
「うん。」
「でも昔は全然違ってて、中学の頃はクラスに全く馴染めてなかったの。」
「そう、だったんだ。」
そう言って話し出したのは、俺と村瀬さんが初めて出会った頃の話。
俺の知らない、村瀬さんの話。
「新しいクラスになった時、仲良くしてた友達が1人もいなくて。もうほんとに不安で不安でたまらなかったの。」
クラス替えが嫌な気持ちは俺も痛いほど分かるよ。
「そんな時にね、目黒くんを見かけたの。
目黒くんの横顔を初めて見た時、理由は分からなかったけど無性に目が離せなくて。
座席表見たら目黒くんが後ろの席なんだって知って、これは運命なんだって思った。
絶対に仲良くならなくちゃって。
でも話しかける勇気もタイミングもなくて。
もう諦めかけてた頃に日直が回ってきたの。」
「俺と村瀬さんが初めて話したあの時?」
「そう。それなのに私の第一声最悪だったでしょ?
第一印象終わったな…って心の中では泣き崩れてた。」
かっこいいって言ってくれこと、俺はすごく嬉しかったのに。
「でもなんとか会話を続けて、友達になれて。
その後も順調すぎて怖いぐらいに上手くいって、神様が私に味方してくれてるんだって勝手に思い込んでた。」
あの時、あの瞬間、そんなことを思っていたなんて。
まるで、あの頃の答え合わせをしているみたいだ。
「私、目黒くんと友達になれてから毎日が楽しくて仕方ないの。」
それは俺も同じだよ。
「つまりね、」
「つまり?」
村瀬さんがこちらを向いて視線が重なった瞬間、時が止まったかのように動けなくなる。
「私も、目黒くんのことが好きです。」
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作者名:夏目 | 作成日時:2024年2月8日 20時