３週間【青】 (ページ8)

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Shota side

今日から実習生とやらが来た。

なんか朝からみんなすげーテンション上がってるけど、俺にとってはマジで興味もないしどうでも良くて。

そんなことより今日も眠い。

とにかく毎日眠い。

担任は最初こそ注意してたものの、少ししたら俺が寝てても何も言わなくなった。

多分諦めてんのか、見放したか…そんなとこだろ。

寝ていると遠くの方で「翔ちゃん」という声が聞こえる。

そう呼ぶのは幼馴染の由香の声。
　

同じクラスで隣の席の由香とは、家も近所で幼稚園、小中高とずっと一緒。ちなみに涼太も一緒。

何かといつも由香に起こされる。

まぁそうさせてんのは俺なんだけど。

で、今朝起こされた理由が、例の実習生の出欠確認が理由だった。

いや、見りゃいるって分かんじゃん。だる。

そう思ったけどとりあえず返事だけしといた。

眠いながらに一瞬見えた実習生は、なんだか不安気な顔で俺を見ていた。

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俺だって好きでこんな毎日寝てる訳じゃない。

高校に入学してすぐの頃、父親が病気で亡くなった。

突然母子家庭になり、俺も少しでも家計の役に立ちたいと思い2年になった頃からバイトを始めた。

母親にはやらなくて良い、ダメだと怒られたが、そこはスルーして続けてる。

バスケ部もそれを理由に去年辞めた。

もちろんうちの高校はバイト禁止なのでその事は言っていないけど。

何なら由香と涼太にさえ内緒にしてるし。

バイト先には大学生と偽って働いてるけど、これまでに幾度となくバレてしまい、先週ようやく新しいバイト先が見つかった。

うちからも学校からも少し離れたマイナーな駅のコンビニ。

人通りも少ないし、客もあんま来ないし、店長も緩いしでまさに最高の条件だった。

制服で行けないから一回家に帰ってから着替えて、チャリでバイト先までに行くのが俺の日課。

入れる時はほぼ毎日バイトしていた。

18時から24時まで。

だから物凄く眠い。

案外真面目なので、授業には出てるし、遅刻もほぼほぼない。

だから多少眠いのくらいは多めに見てよって思っちゃうんだよなぁ…

まぁ、それは完全に俺の都合だけどさ。

それで、だ。

問題はなぜ、そのマイナーなコンビニに今朝の実習生が客として現れたのかということ。

お互いに「あ…」って感じで気まずすぎた。

そして俺終わったって思った。

やっと決まったバイト先がクビになると同時に、学校も退学だなって。