３週間【青】 (ページ7)

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照は私よりも2駅手前で電車を降り、「また明日」と手を振って別れた。

電車に揺られながら、今日の反省点や明日のシュミレーションを頭の中で考える。

明日からは4クラスでみっちり授業が開始される。

帰ってからも予習しようと気合いを入れて最寄駅に降り立った。

駅に着いたのが18時半。

実習期間中はこれくらいになるんだろうな、とだいたいの目処がついた。

私はこの4月から駅から徒歩10分の場所で一人暮らしを始めた。

実家暮らしも悪くないけど、やっぱりどうしても憧れがあって。

自由にできる一人暮らしはやはり快適だった。

普段は薬局でバイトをしてるけど、この実習期間だけはお休みさせてもらってる。

だからこそ自炊して節約しなきゃなんだけど…

なかなかそれができなくて。

しかも実習期間中なんて尚更疲れてるし、やることもあるし無理！

なのでこの何もない最寄り駅で、家の近くにある唯一のコンビニだけが私のオアシスだった。

コンビニに入り、お弁当とお茶をカゴに入れる。

あ、初日で頑張ったし大好きなプリンも入れちゃお。

ウキウキ気分でレジへ向かった。

『いらっしゃいませー』

「…え」

『…あ』

「えっ…わ、たなべくん…？」

『…あーー……はい』

あれ、確かうちの高校はバイト禁止のはず…

「えっと…どうして？」

『いや…まぁ、色々…』

「…」

どうしよう、だいぶ気まずい。

『750円です』

「あ、はい…」

『ありがとうございましたー』

「…」

ぺこりと頭を下げてお店を出てきてしまった。

…いや、ダメじゃない私？

注意しなくて…良かったのかな？

だけどまだ実習生の身だし…

もしかしたら何か事情があるのかもしれないし…

うーん…

それよりも私のオアシスに生徒がいるって方が問題だよ。

正直気まずすぎて明日からここに来ずらい…

今までなんで気付かなかったんだろう。

一つ考えられるのは時間帯。

私は普段大学の日はコンビニはだいたい18時前に利用していたし、バイトの日はバイト先で夕飯を食べるので遅い時間でもコンビニに寄ることはなかったから。

黙って出てきてしまったけど、なんとなく明日渡辺くんと顔を合わすのが憂鬱だった。