３週間【青】 (ページ6)

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照「お疲れー！」

更衣室を出た所で照にバッタリ会った。

タイミングが合えば一緒に帰りたいと思っていたから丁度良かった。

とにかく照から今日の話を聞きたかったし、私の話も聞いて欲しかったから。

初日を終えた照は朝以上に清々しい表情をしていて…本当に何事にも肝が座っていてすごいなぁって思う。

「ねぇ、どうだった？」

照「うん、普通にいい感じ」

「余裕だなぁ〜！今週は球技だっけ？」

照「そ。バスケとハンドボールね。Aは？どうだったの？」

「うん。今日はうちのクラスで一回のみの授業だったんだけどさ、まぁ何とか予定通りにはできたから良かったけど…」

照「けど、なに？」

「うん…1人ね、ずっと寝てる生徒がいるの」

照「ははっ！いるんだなーやっぱ、クラスに1人そーゆう奴！笑」

そんなこと言って照は呑気に笑ってる。

「そりゃあ、体育で寝ることはできないから照にはわかんないと思うけどさ？」

照「はいはい、いじけんなって。笑で、その寝てる奴が何なの？」

「何なのって…寝てるってことは授業聞いてないってことでしょ？やっぱりさ、やるからには少しでも聞いて欲しいし興味持って欲しいじゃない？」

照「本当真面目だなーAは」

「きっとみんなそう思うはずだよ。しかも彼ね、教卓の目の前の席なんだよ？そんな場所にいながらフルシカトって…」

照「マジ！？すげー度胸あんな！最高！笑」

照は他人事と思って大爆笑してる。

もぅー。

照「ちなみに誰？」

「渡辺くん。渡辺翔太くんって生徒分かる？」

照「渡辺…？待って、A組でしょ？俺、今日バスケ受け持ったよ」

そう言いながら照は考えを巡らせている。

照「あ、わかった！あいつか！なんかすげー睨んできた奴だから覚えてる」

「睨んでたの？」

照「そう。なぜか最初から挑発的でさ。尖ってんな〜って思ってウケたけど」

照は何てことないみたいで、全然気にしていないようだった。

「気にならないの？」

照「思春期ってそんなもんじゃない？実習生とかって実は歳近いのに何か年上感出してきてさ。俺もちょっとあいつの気持ち分かるもん。笑」

そういうもんなのかなぁ…

照「じゃあこの３週間で渡辺が俺に心開いて話しかけるのと、Aの授業を寝ないでちゃんと聞くのと賭けだな！笑」

「ちょっと…賭けとか言わないで」

照「ごめんごめん。笑」

そう話しながら私たちは学校を後にした。