３週間【青】 (ページ43)

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「わ、たなべくん…？どうしたの？」

渡「賭けってどういうことだよ？」

「それは違う、誤解…」

渡「何が違うんだよ。2人して俺で遊んでたんだろ？」

そう言いながらズンズンと自分の席まで歩いてくる。

照に凄みながら、「どけよ」と言い放つ。

照「お前さ、ちょっと口のききかた…」

渡「うるせぇんだよ！教師ヅラすんな。」

そう怒鳴った後で、自分の机の中から鍵を取り出していた。

渡「…お前ら2人共最低だな」

「渡辺くんごめん、違うの、聞いて？」

渡「何が違うの？…真面目なフリして生徒で遊ぶような人だったんだね。見損なったマジで」

そう言った彼の冷たい目と、低い声が忘れられない。

完全に軽蔑した表情。

私の胸はグサリとナイフで突き刺されたような衝撃を受けた。

そして、バンッと激しくドアを閉めて渡辺くんは出て行ってしまった。

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Shota side

自転車置き場まで来て、また鍵を机の中に忘れたことに気付く。

うわ、またかよ。

めんどくせえ…

仕方ないので走って教室まで戻る。

すると、誰もいないはずの教室から男女の話し声が聞こえた。

後ろの扉の窓からチラ見すると、教卓に立つAセンセーの姿が見えた。

めっちゃラッキー！って思って一気にテンションが上がる。

だけどもう1人、勝手に俺の席に座る人物。

ガタイの良いジャージ姿で、すぐに岩本だと分かった。

なんで二人が一緒にいるんだ…？

ふいに先週、岩本がコンビニの前を横切る光景が思い出される。

やっぱりこの二人って…

ザワザワした気持ちで会話に聞き耳を立てれば、‘’渡辺‘’と俺の名前が聞こえてくる。

どうやら俺が寝ないで授業を受けてる話や、岩本と俺が話すようになった事などを話してるらしい。

なんで俺？と思いつつ引き続き聞いていたら、あまりの衝撃で思わず声が漏れそうになる。

‘’賭けはドロー‘’ってなんだよ…

つまり俺の態度の変化を2人で勝負してたってことだよな？

Aセンセー…嘘だろ？

真面目に熱心に生徒に授業を聞いて欲しいと思ってたんじゃないの？

全部…遊び感覚だったの？

なんだか訳が分からなくてパニック状態だ。

と、同時に悲しみと怒りと失望の気持ちが湧き上がる。

ショックだった。

まさかセンセーがそんな人だったなんて。

この時の俺は自分の事しか考えてなくて、センセーの気持ちを考えることも、話を聞く余裕もなかった。