３週間【青】 (ページ37)

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どうしよう…

帰りのホームルームに行きたくない。

さっきのあれは何だったのか。

単純に渡辺くんに揶揄われてるだけだよね…？

先生が来てから毎日楽しいって言葉がずっと頭の中を駆け巡る。

真っ直ぐな目で言われたから、変にドキドキしちゃったじゃない。

…それに、渡辺くんには好きな人がいるんだし。

よし、切り替え切り替え！

そして再びA組の扉を開けた。

教室でバラバラに友だちと談笑していた生徒たちが、順次会話を辞めて自分の席に着き始める。

渡辺くんはと言えば…

久しぶりに机に伏していたけど、扉が開いた音と同時にムクッと身体を起こした。

視界の端にその様子を捉えたけど、決して見ることはできなかった。

山田先生から頼まれた伝達事項を生徒たちに伝えてから帰りの挨拶をする。

その間もずっと渡辺くんの視線を感じていた。

だけど、1度も彼を見ることはなかった。

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きっと今日も渡辺くんはバイトだろうな…

そんなことを考えながら駅からトボトボ歩く。

どんな顔をして話したら良いか分からない。

気丈に振る舞えば良いのに、バカみたいに意識してしまう自分がいる。

なんで…

もうすぐコンビニの前に差し掛かる時、私はお店の方を見ずに足早に通り抜けた。

実習が始まってから、初めてコンビニに寄らなかった。

自分でそうしたはずなのに、何か1日の終わりに物足りなさと寂しさを感じる。

いつの間にか私は、コンビニで渡辺くんと話すあの時間が習慣となり、楽しみになっていたのだとこの時初めて気付いた。