３週間【青】 (ページ32)

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「…え、このタイミングで？」

照「まぁ、そう思うよなー」

そう言いながら照は気まずそうに苦笑いしている。

もちろん今まで照には何人か彼女がいたし、その都度報告を受けてきた。

私も同様に過去に彼氏ができた時は(といってもたった一度だけど)照に報告してきた。

だから今回もそんな感じでゆるっと報告されただけ。

ショック…とも違う何かよく分からない感情。

思えば報告を受ける度にいつもこのよく分からない感情を抱いた記憶がある。

恋でもない何か…

実は過去に一度だけ、照とキスをしたことがある。

ちょうど私たちが受け持ってる生徒たちと同じ、高校三年生の頃。

私は人生で初めてできた彼氏にフラれて、照も同じタイミングで彼女と別れて。

お互いに話を聞いた後で、何となく沈黙になって、目が合って…それで照からキスをされた。

私も嫌という感情はなくて、その時は自然に受け入れられた。

だけどその翌日には私たちは、まるで昨日のことが無かったかのようにいつも通りの2人だった。

そしてその日から今日まで一度もその話題をお互い口にしたことがない。

もしかしたら、夢だったのかとさえ思えてくる。

中学生の頃からよく、「一生お互い相手ができなかったらその時は仕方なく結婚してあげるよ」なんて憎まれ口をたたいてきた。

今でも時々そのネタは使っていたから、

「じゃあ…私が奥さんになる事はなさそうだねぇ笑」

そう言うと、

照「ばーか、気がはえーわ。笑」

そう笑い返す。

あ、大丈夫だ。ちゃんと私たちは幼馴染だ。

そう思って安心した。

「大学の子？」

照「うん、同じ学部の子。なんかさ、Aと実習一緒って話した途端に急に告られたというか…」

あ。またそのパターンか…

私たちはよく誤解をされる。

これまで私は照の元カノたちに幾度となく敵意の目を向けられてきた。

照は優しいし一途なので、基本的には長続きするタイプなんだけど、別れの原因となると決まって束縛が重すぎてフラれるか、私をかばってフるのだった。

私のことを家族同様に思ってくれるので、たとえ彼女でも私の悪口を言われると一気に冷めちゃうらしい。

私からしたら悪口なんて全然耐えられるのに、そんな事で自分を犠牲にして欲しくなかった。

「多分さ、その彼女さんも私の存在を気にしてるんだと思うよ。くれぐれも今回は何か言われたとしても怒るようなマネしちゃダメだからね」

私は照に深く釘を刺した。