３週間【青】 (ページ25)

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Ryota side

ホームルームが終わり、足早に教室を出て行った翔太を追いかけた。

確かめたいことが2つあったから。

最近翔太は、人が変わったみたいに授業で寝ることがなくなり、以前のように昼休みの付き合いも良くなった。

俺は結構それが嬉しくて。

だから今日も久しぶりに佐久間たちと集まって話せたことも嬉しかったんだ。

だけどその時事件が起きた。

B組の普段から評判があまり良くない2人が、A先生に最低な暴言を吐いた。

なぜ先生がターゲットになってしまったかは分からなかったけど、女性を傷付けるような男は最低だ。

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涼「翔太！」

自転車置き場に向かう翔太に後ろから声をかけた。

翔「なに？」

涼「この後暇？」

翔「あー…ごめん。ちょっと用がある」

涼「…また？この前もだったじゃん」

翔「いや、彼女かよ」

涼「そんなようなもんでしょ」

翔「違うわ！笑」

…じゃなくて。

涼「いつも放課後何してんの？」

翔「別に。色々…」

涼「俺にも言えないこと？」

翔「…」

涼「…分かった。これ以上追求しないよ」

翔「ごめん」

涼「じゃあさ、…さっきのは何？」

翔「さっきのって？」

涼「A先生が揶揄われた時。血相を変えて飛び掛かってでしょ？」

翔「べっ…別に血相変えてなんかねーし！普通に胸くそ悪かったから黙らそうと思っただけ」

涼「へぇ…基本平和主義な翔太がねぇ？」

翔「なんだよ…」

涼「別に。てっきりA先生のことが好きなのかと」

翔「はっ！？バカじゃねーの？…じゃーな！」

そう言って行ってしまった。

あーあ、ご立腹か。

だけど俺の勘は当たり。

翔太はA先生に恋をしているみたいだ。

というか俺らは多分みんな気付いた。佐久間を除いて。

由「涼ちゃん？」

後ろからふいに由香に声を掛けられる。

涼「今日部活は？」

由「ん、今から行くよ。…翔ちゃんと何話してたの？」

涼「…別に？」

由「そう…。翔ちゃん今日も帰るの早いね。いつも何してるんだろ」

涼「さぁ、俺でも分からないよ」

由「涼ちゃんはさ、今日の翔ちゃん見てどう思った？」

…やはり由香も気付いたか。

涼「どうって？」

由「うん…なんかさ、人のことであんなにカッとなる翔ちゃん珍しいなって。もしかしてA先生のこと…」

涼「あ、由香。友だちがあっちで呼んでるよ？」

由「あ、本当だ…。じゃあ、私行くね！バイバイ」

ここも複雑な問題だな…