３週間【青】 (ページ22)

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Day4 ページ22

今日は朝のホームルームからそのまま続けてA組の授業をする。

「じゃあ今日は、隣の人とペアになって教科書の中から自分で問題を作って出し合ってみましょう」

自分が出題者になることでその内容をより深く理解することができる。

問題文はそれぞれ生徒たちに任せて見守っていた。

みんな悩みながらも一生懸命考えている。

渡辺くんも1限からしっかり起きていて、井沢さんと楽しそうに問題を出し合っていて嬉しかった。

授業を終えると、楽しかったと何名かの生徒がわざわざ言いにきてくれて「本当？！」と声を出し喜んでしまう。

その言葉が活力になり、つい調子に乗ってしまったのかもしれない。

4限のB組の授業もA組同様、隣同士ペアになる授業を行った。

例の携帯をいじる生徒たちは、今日もその手を止めることなく適当に横を向いていた。

当然困るのはそのペアになる相手。

私にもバレてないと思っている。

今日こそ、意を決して言わないと…

「◯◯くんと◯◯くん、今は携帯電話は仕舞おう。自分だけじゃなくて、ペアでやる授業だから一緒に協力してあげて？」

「…」

言われた2人は特に何か言い返す訳でもなく、素直に携帯をしまってくれた。

内心ドキドキしていたけど、ちゃんと分かってくれて良かった。

そう思い、勝手に充実した気持ちになって授業を終えた。

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そのままお昼休みの時間になり、資料をまとめてからB組の教室を出る。

すると、扉を出た先にさっきの携帯を注意した2人の男子生徒が立っていた。

「先生ー、お疲れ様でーす」

親し気に話しかけられて正直驚いた。

ムカついてるかなって心配してたから。

「あ、うん…お疲れ様」

やや戸惑いつつ2人にそう告げて廊下を歩き出すと、突然背後から、

「A先生、今日黒の下着らしいよ、えっろ！！」

そう大きな声で叫ばれて思考が停止する。

周りには昼休み中の生徒がたくさんいて、みんなが何事かと私の方を振り返ってざわつく。

あまりの驚きで声が出ない。

「生徒誘惑するような人に俺ら注意されたくないんですけどー」

わざとみんなに聞こえるように、大きな声で2人が言いながらゲラゲラ笑ってる。

もちろんそんなのデタラメ。

だけど、作り話の内容が内容だけに生徒たちのヒソヒソ話と軽蔑の眼差しが一斉に私に浴びせられた。

私は顔が熱くなるのを感じ、何も言えないまま下を向いて逃げるようにその場を去った。