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「ううん、久美は何も悪くないよ。寝坊して電車でもボーっとしてた私が悪いんだから」
久「でも寝坊なんて本当珍しくない?初めてじゃん」
「うーん、、ね?油断したなぁ、笑」
寝坊の理由は言えず、曖昧に濁した。
久「だけどその痴漢、本っ当許せない!マジムカつく!どんな奴だった?」
久美に特徴を告げたら、見つけ次第突っ掛かりに行きそうで怖い。
なのでこちらも曖昧に濁した。
久「だけどさぁ、めっちゃ意外。渡辺にそんな正義感があったなんて」
…そう、
私は今朝起きた様々な出来事が渋滞しすぎて、まだ渡辺くんに肝心のお礼を言えていない。
助けてくれた事も、遅刻しないで済んだ事も、全部渡辺くんのおかげ。
早くお礼を言わなくては。
「うん、私もビックリした…」
久「だいぶ見直したよ。Aを助けてくれたのは本当感謝だし」
「うん、、」
この時、久美から渡辺くんへの不信感が消えた瞬間を見た。
2限が終わり、次は移動授業。
今日渡辺くんは久美を見にうちのクラスに来るだろうか。
それとも私から屋上に誘ってみる?
そうやって、渡辺くんにお礼を伝えるタイミングを探りながら久美と一緒に教室を出た。
そしたら同じく隣の教室から出てきた渡辺くんと、バッタリ対面した。
私は心臓がバクバクした。
そのバクバクは渡辺くんに会えたからというより、初めて久美と渡辺くんが近距離で対面した事によるバクバクだった。
渡「…あ、」
渡辺くんは一瞬驚いたように私を見た後、隣の久美に静かに視線を移す。
久「あ、渡辺」
!!!
なんと久美が、渡辺くんに話しかけ始めた。
その時の渡辺くんの表情を私は決して見逃していない。
ゴクっと唾を飲んだ後、癖なのか、明らかに緊張した表情で唇を舐めていた。
渡「…どうも」
久「今朝はありがとう。Aの事助けてくれたんでしょ?」
その問いかけに、渡辺くんが一瞬私をチラリと見る。
私はうんうんと頷き、久美に伝えた旨を口パクで彼に伝える。
渡「まぁ…うん」
久「本当ありがとう。見直したよ」
渡「見直したって、俺どんな印象だったのよ、笑」
久「え?なんかテキトーそうでチャラそうな」
渡「ふは!ひでぇ、笑」
私は久美の本音を聞く渡辺くんにハラハラしていたけど、案外渡辺くんは嬉しそうだった。
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R(プロフ) - なおさん» 何度も読んで頂き嬉しいです🥺こちらこそありがとうございます! (8月17日 22時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 初めまして!このしょっぴーと主人公ちゃんが大好きですー💕実は何度も読み返していて😊今日もきゅんきゅんさせて頂きました♥️ありがとうございます!続きもまた読みます💙 (8月17日 16時) (レス) @page50 id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん» 嬉しすぎます!ありがとうございます🥺✨ (2023年4月5日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 素敵すぎです!あー、しょっぴーに惚れてしまった♡ (2023年4月5日 13時) (レス) @page50 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ピカンチ★さん» この作品を見つけて下さりありがとうございます🥺💙ハニレモ良いですね☺️🍋お時間がある際に良かったら番外編も覗いて下さると嬉しいです🥺💙 (2022年6月25日 19時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:R | 作成日時:2022年5月22日 14時