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それから数日が経った放課後。
いつものようにサックスを持ってベランダに出る。
結局あれから登下校中や昼休みなど花壇にカードを探しに行ったけど結局見つからなかった。
まぁ仕方ないか…と今度こそ諦めもついていた。
今日の部活はずっと自主練の日だったので、私は例の無くした歌詞カードの曲を音慣らしの為にベランダで吹いていた。
普段から何度も練習していたので暗譜していたのだ。
大好きな曲が私の吹くアルトサックスの音色を介して校舎に響く。
他の楽器を練習中の生徒たちの音色や、外で部活動をしている生徒たちの声、下校中の楽しそうなおしゃべりの声など…
そんなたくさんの音が入り混じるのを聴きながら目を閉じ、大好きな時間を噛み締めて吹いていた。
すると、
『すいません！あのっ、すいません！！』
気持ち良く吹いていた所を男性の声に遮られる。
後ろを振り向けばあの日のイケメンサッカー部くんが、ユニフォーム姿でゼーゼーと肩で息をしながら私の前に立っていた。
教室にいた他の部員の子たちはみんなポカンとしている。
それと同時にヒソヒソ何か話しながらキャッキャとはしゃぐ姿も。
？？？
「あの…何か？」
『これっ…カードって…これのことっすか？』
それはあの日風に飛んでいった私の大事な歌詞カードだった。
「えっ！うそ…っ！それです！どこにあったんですか？」
『やっぱり…！よかったぁぁあ」
両手を膝について安堵のため息を吐き出したイケメンくん。
『花壇の脇に落ちてました。あの日、カードとしか言ってなかったから確信は無かったんですけど、場所的にちょっと土もついてるし…それかなって』
そう言い終えると私にカードを差し出して渡してくれた。
改めて近くで見ると照より少し高い見上げるほどの長身に、甘いマスク。
今更ながらにあの醜態を見られたことが恥ずかしくなった。
「すいません…わざわざ。でもよくここにいるの分かりましたね」
『本当はこの数日で1年のクラス全部まわったんですけど、タイミング悪かったのか全っ然見つからなくて』
「あ…えっと…私一応2年生なんです」
『えっ！？…だからいなかったのか…すいません』
全然その考えは無かったー！と頭を掻いている。
幼く見えたのかな…複雑な心境だったけど9クラスも回って私を探してくれたなんて優しい人だなって感じた。
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R(プロフ) - emさん 寂しいと思ってもらえるなんて…🥺ありがとうございます！ (2021年10月22日 16時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みかさん 嬉しいコメントありがとうございます🥺ほっこりしてもらえて安心しました＾＾ (2021年10月22日 16時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
em(プロフ) - 終わっちゃうのが寂しいです🥺 (2021年10月22日 7時) (レス) @page22 id: d7760676f5 (このIDを非表示/違反報告)
みか - 最後ちゃんとほっこりさせてくれるRさん！プラスアナザーストーリーという展開！いやぁますます目が離せない (2021年10月21日 21時) (レス) @page22 id: 75d95be2cc (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - とんたんさん 前作も読んで下さったのですね！ありがとうございます、嬉しいです（涙）おまけも楽しんで頂けていたら幸いです＾＾ (2021年10月21日 21時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2021年10月15日 21時
